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どうでしょうマニアがみんなバイク乗り…なんてことはあるわけないけれど、
バイク乗りはみんな、水曜どうでしょうが好きなんじゃないかな?

そんなことを思うようになったのは、いつ頃からだろう…。

水曜どうでしょうを、「これは面白い!」と意識して見始めたのは、おそらく2009年の冬のことだったと思う。
DVDレコーダーに毎週録画設定をして、HDDの残量を増やすためにDVDにダビングした最初の1枚が、classicの「激闘! 西表島」の第4夜からだった。

後から知ったことだが、「激闘! 西表島」の ON AIR は2005年の10月ということだから、「原付ベトナム1800キロ」でレギュラー放送が幕を閉じた2002年9月から3年経っているわけで、放送終了後7年目にしてようやくハマり始めたという私は、まだまだ4年程度の「駆け出し藩士」なのである。

ただ、その頃は深夜の録画予約を見返しては、「なんだかありがちな番組だなぁ…」的な感じで、それほどのめり込むほどの手応えは感じていなかったと思う。その頃は、「ワッキーの地名しりとり(ノブナガ)」の再放送が終わり、DVDを探して見ていた時期でもあり、後から知った水曜どうでしょうも、それを真似た番組なのかなとさえ思ったくらいなのだ。後から思えば、そのクオリティというか、奥深さというか、勝負にさえならない差が存在することは明白なのだが…。

そんな出会いを経て、「これはこれまでのテレビ番組とは何か違うぞ」と感じたのは 、2011年春に ON AIR された「原付日本列島完全制覇」を見始めてからだろう。折しも、3.11直後の絶望的な空気が充満しているなかで、なぜかこの番組だけは明るい気持ちにさせてくれたことを、いまでも思い起こしている。よく言われている「癒される」というニュアンスとは別の、心のなかの何かを引き寄せられる感覚が生まれたのだと思う。

その理由が何なのか…。それに気づくのにそれほど時間はかからなかった。

「原付日本列島完全制覇」は、高質のロードムービーなのではないか。しかも台本のない、バイクツーリングのドキュメンタリー映画。お笑いつきともなれば、立派なエンターテイメント仕立てにもなっている。「イージーライダー」や「禅とオートバイ修理技術」と違うのは、乗っているバイクが、ハーレーダヴィドソンやBMWではなく、原付スーパーカブというところだけ…。

そう考えたときに、この番組に抱いたシンパシーの理由がすぐに明確になった。

それは、オレがバイク乗りだから…。

かつて、学生時代に決行した冒険の記憶…原付バイク(ホンダCB50)による1週間で1,000kmにも及ぶソロツーリング…が、まるで昨日の出来事のように鮮明に蘇ってきたのである。

すでに中年の域にどっぷり浸りつつも、頑なまでにバイクに乗ることを諦めず、大型自動二輪の免許にアップグレードしてから5年目にして出会った「水曜どうでしょう」に、バイク乗りならだれでも揺さぶられる「何か」を見出したということになるのだろう。

そして、そんな番組がなぜつくられたのか…という理由も、ほどなく明らかになる。

それは、つくり手の藤村Dもバイク乗りだ(った)から…。

そう考えたときに、

バイク乗りはみんな、水曜どうでしょうが好きなんじゃないかな?

…漠然とだがそんな確信が生まれたのである。

どうでしょうの旅は、バイクツーリングと似ている。あまり計画的に行動することもなく、行き当たりばったりで、行き先の天候に応じて進路を気ままに変更する。その晩に泊まる宿など予約することもなく、辿り着いた先でなんとか手配してしまう。なんなら、最初からテントや寝袋を携行して野営も野宿もなんのその…。

世の中には無数のどうでしょうマニアが存在するが、みんながみんなバイク乗りということはないにしても、バイク乗りである比率は相当高いのではないか。逆に、世の中のすべてのバイク乗りが、どうでしょうを知っているとは限らないが、知ってしまえば必ずハマってしまうのではないか。

そんな想いを抱きながら、すっかり生活の一部となってしまった「水曜どうでしょう」の、番組やその周辺にまつわるさまざまな関心ごとについて、気ままにマイペースでまとめていくサイトを立ち上げることにした。

水曜どうでしょうとツーリング。

どんな展開になるか予想もつかないけれど、そこが「どうでしょう」の「どうでしょう」たるゆえん。「分かる人だけに分かる」というキャッチフレーズで始めてみようかな。

2013年 師走